まゆ

夜明けのすべてのまゆのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます


舞台挨拶の関係で2回連続で観たのでした。北斗のビジュが良すぎて良すぎた。りょうの衣装もかっこよかったー!


プラネタリウムのシーン、いつも泣いてしまう。
髪を切るシーンはいつも笑ってしまう。
おじさんたちのインタビューのシーンも好きすぎる。

重くなりがちなテーマなのに本当にあったかくて、たまに笑えるシーンすらあって、これからも大丈夫かもしれないって思える映画。

まあ、原作のほうがより病気に焦点を当ててるなという感じがして、映画は病気というよりはまわりに助けられて夜明けを迎える話。夜だからこそ見えるものの話。

私がいちばん好きなのは、山添くんが社長と一緒に弟さんの遺影に手を合わせるシーン。あそこ、ほんの数秒だけ音が自然に消えて完全な無音になる。その数秒で自然といろいろ感じてしまうから、とてつもなく綺麗なシーンだな、と思いました。
舞台挨拶でも言ってたけど、語らずに訴えるのが上手いんだなあ、三宅唱って。

2人の抱えるものはなくなったわけじゃないし、これからも続いていくものだけど、それを、なんていうのか、この映画のプロモーションでもよく言われてたけど「友達でも恋人でもない誰か」と分かち合えたら、こんな風に少し前向きになれるのかな。
恋人や友達と何が違うんだろうってずっと考えてるけどまだこれだ!ってなってなくて、でも「見返りを求めてない」っていうところはあるのかな。いや、恋人や友達のために何かするのも見返り目当てじゃないんだけど、どうしても相手の行く末に「自分」も関わってきちゃう気がするので。山添くんの彼女はそれを示す存在で、彼のことを想っているのに彼のペースそっちのけで「いつ治るんだ!」とお医者さんに詰め寄る。あれっていちばんやっちゃいけないんじゃないの、と思うけど、一緒に生きていく覚悟をしていたからこそああなってしまったのかもしれない。自分だって前に進まないといけないもんね。そう思ったら彼女の決断は、そんなにフォーカスされないけど本当に悲しいものだな。。
一方で藤沢さんと山添くんの2人は、いい意味で相手に対して無責任になれるからこそ、お互い気安かったのかもしれない。人生で手を取り合って一緒に前を向こう、っていうのが恋人や友達で、一回前見るのやめて寄り道でもしようよ、っていうのが藤沢さんと山添くんなのかも。


2回観て気づいたのは、藤沢さんのお母さん、脳梗塞か何かやったってことなのかな、と。親族に血栓症の既往があるからピルが飲めないというのとつながってくるんだな。思えば初登場シーンから右手がうまく動いてなかったり。そういう意味なのかも、って気づけたのは2回連続で観たからかなー。

明けたって夜はまた来る、あるいは夜は続いてる、っていう、ホラーっぽいメッセージではなくご都合主義にしないリアルだからこその設定付け足しだったのかな。

でも、タイトル、英語だとall the long nightsになってたけど、私は「夜明けに関するすべてのこと」っていう意味だと思ってたからなんか意外だった。

最後に、私瀬尾まいこ苦手だと思ってたんですよ。まあ最初に読んだ話が嫌いだったからそれ以降読んでなかったんですが。
北斗が私に克服させたもの、新海誠、岩井俊二、瀬尾まいこ。



アホみたいなこと言ってもいいですか、私のレビューって長ったらしくてまるで北斗のブログみたい。
まゆ

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