小麦番長

夜明けのすべての小麦番長のネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

良い映画でした。
原作が良いんでしょうね。

「世の中に満ちる悪意とどう折り合いをつけていくか」
みたいなコンテンツが多い中、悪意ある人が出てこない話が新鮮。
「いやいや、現実はそうはいかないでしょ」とかツッ込まず、いま必要な作品として観た。
諸々泣けたし。

その反面、この優しい世界の対極に居る人種にはこの作品の伝えたい事や良さは決して届かないのだろうなぁ、と思いながら観ていた。
長く暗い夜明けを待つどころか、夜はぐっすり眠って夜なんて全く感じない人たち。

「こういうハンデある人たちを見て見ぬフリする奴ら非難する奴らって居るよねー信じられない。どうかしてると思うわー」とか言ってんだろうな。
広大な宇宙ですら不変ではない‥‥
1万2千年後に北極星がこと座のベガに変わってもこの種の人々の性根は変わらないだろう。(←例えがおかしい)

花束みたいな‥‥で「今村夏子のピクニック読んでも何も感じない人たち」と形容されたように、この作品を観ても何も感じない人びとが見えてきてしまって、諸々レビューされてるように“ 心が温かくなった” りは出来なかった自分。

いや、作品(未読だけどたぶん原作)は良かったんですよ。
自分の問題。
小麦番長

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