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夜明けのすべてのatsukiのレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.0
髪を切ることや服を羽織ることだったり、借りた手提袋を返したり、貰った自転車に乗ってみたり、そのように変化を物語に与えるのではなく、三宅唱の視座がなんでもないものの変容を捉えようとすること。それは「ケア」についての関心こそが動機であり、『ケイコ 目を澄ませて』で到達した簡潔さが、より生きることそのものに対する準備と実践になっている。

生きる意味への検証。たとえば、見送るためにあったトンネルがふたりの帰り道になること。しかし、山添が折り返してしまうからふたりが通り抜ける姿を見られないこと。それでも、たしかに通い慣れた道になっていたこと。
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