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ツィゴイネルワイゼン 4K デジタル完全修復版のdrawのレビュー・感想・評価

4.0
◯鈴木清順生誕100年【浪漫三部作】4Kデジタル完全修復版。内田百閒"サラサーテの盤"ほかいくつかの短篇小説を脚色。

《正直、意味はわからんが惹かれる》
ラスト10分ほど記憶がない。寝てた?
それでもジワジワと頭を侵蝕し面白いと思えた作品。
原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代
皆さんなんて魅力的な!
このような雰囲気を出せる、役者を映し出すセンスは凄いのかも。
古い作品はなかなか手を出しづらい自分。
でもこの修復版、鮮やか!
一回しか観ていないが思い出せるシーンは多く印象深い。

疑われる中砂が住民からギュウギュウに詰められる無音のシーンは、神輿に担がれている風に見える。神なのか?死神か?
いや死神に取り憑かれているのか?
肝を喰らう、死を運んでくる中砂。
夫に肝を食わせているというキミ。
青地に食わせたい周子の妹。
女の股から出る真っ赤なカニ。
美しい骨。血の滲む骨。
盲目の三旅人は女の取り合い、争いで男2人は亡くなる。中砂の前で。
青地に貸した中砂印の付いた本。
腐りかけは美味しい。
亀甲縛り。
妻小稲・園は存在するのか?
青地には絶えず幻聴、幻覚が。
サラサーテのツィゴイネルワイゼンのレコード。その中のサラサーテ自身のものとされる声は何を言っているのか靑地にも聴き取れない。
妻周子の行動、湿疹、舌遣い、初めての経験と鏡で見る自分の顔。
妹のことは心配していなさそう。
中砂の目玉に舌を這わせるシーンは、まるで死体の目玉を舐めているように。
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