タク

アナログのタクのレビュー・感想・評価

アナログ(2023年製作の映画)
3.6
   ニノ初の恋愛映画に挑戦。
[感想]
《話がシンプルに良い✨》
変な小細工とか、余計な感情というか、そういう要素を一切除いた良作でした。
純粋な恋愛映画とはこの事か!となるような心に染みるというか、温かくなる作品でした。

涙腺が一気に来たのが、みはるの過去に何があったかも大事なのだが、みはる(波留)が悟(二宮和也)に対してどういう感情を抱いていたのかが明かされるシーン。

このシーンは、二宮和也の演技力、、話の展開、アナログという映画だからこその結末。
切ないシーンではあるものの、自分はこのシーンが一番自分の中に残りました。

結末としては、「奇跡」という文言を使って集客する映画はあんまり期待してないのですが、これは小さな奇跡なんだけど、でしゃばり過ぎてないし、悟の行動と彼女を支え続けてきた年月からして無理のない奇跡で映画のメタ的視点からも最後位は少しハッピーエンドで終わらせてほしいと思いながら見てたので、そこまで気分を落とさない作品になっている。

《嫌にならない笑える要素🤭》
監督独自の個性なのか、結構な長回しのシーンがあり、その大半が「これ、アドリブだろ!」とツッコミしたくなるようなシーンで、基本的に福田雄一監督のアドリブの長回しの笑いがあんまり好きじゃないんだけど、本作は全く嫌な気分にならなかった✨

その理由として、前半と後半で映画の雰囲気を変えていたからだと思います。
前半は桐谷健太、浜野謙太が演じた友達3人とのやり取りの時間が印象的でした、このパートは結構コメディ要素で、3人の長回しのアドリブシーンが面白かったです!

変に寒くならないのも凄く好印象でした✨

コメディ要素までとは行かないんだけど、
一つの付け味として凄く良かった要素だったと思います!

《俳優二宮和也の底力またも魅せる!》
去年の『ラーゲリ』今年の『VIVANT』と様々か顔を魅せてきた彼ですが、本作は二宮和也の持ってる優しさを上手く表現した役でした。

恋愛映画初挑戦と書きましたが、恋愛映画という程胸キュン的な要素とかは無いんだけど、波留との何気ないシーンで描かれる関係性がこちらを熱くさせました!

特に終盤の波留の過去を知ったシーンの泣き姿は、圧巻でした!

[最後に]
映画の雰囲気とかが、今の流行りに例えるなら波留の二宮和也のVlog的な感じで、見ていて心地が良いんですよね~

作品自体も少し長いんだけど、登場人物がそこまで多くない分二人の関係性がしっかりと時間をかけて描かれるので、最後の結末は感情移入してしまいましたね。

題名のアナログ。凄く良いタイトルです。

この寒くなってきた季節に良い映画に出会いました。
タク

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