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おまえの罪を自白しろのあでぃくしょんBBAのレビュー・感想・評価

おまえの罪を自白しろ(2023年製作の映画)
3.0
2024.04.24 配信で視聴

原作は未読。

・序盤、家族関係がわかりにくい。ぞろぞろ出てくるわりに関係性がはっきりしないから「あれは誰? あの子は誰の何?」が気になって物語に入り込むのに時間がかかった(本作は限られた時間内で勝負する映像作品である。物語の軸に影響がない要素は原作にないやりとりを入れるなどして最初に関係性をわかりやすくするべきだった)。

・「おまえの罪を自白しろ。さもなければ人質を殺す」と、誘拐犯からメッセージが届く。堤真一演じる衆院議員に娘(人質になった子どもの母親)が叫ぶ。「お父さん、罪を自白して!」。……このセリフ、おかしい。不自然。娘は父親が何をしたのかわかってたのか? 父親がイケナイことをしている(あるいは、した)のをわかっていて彼女はニコニコ暮らしていたのか? そもそも「罪」も「自白」も普通に使うコトバじゃない。普通なら、「お父さん、いったい(私の子どもの命と引き換えになるほどの)何をしたの?」になるはずなのだ。

・「おまえの罪を自白しろ。さもなければ人質を殺す」は、誰に対しても使える。標的になった人の良心次第ではあるが、子どもの頃に蟻を踏みつけて遊んだとか、会社の備品(ボールペン)を持ち帰ったとか、制限速度を20kmオーバーして走ったとか、思い当る節のない人はいないからだ。
堤真一が記者会見で模造紙3枚分の“思い出せる範囲の罪”を書きだして披露していたらどうなってたか。ちょっと想像してしまった。

・どんな正義のためであれ、ワシは幼子を誘拐して目と口にテープを張るような連中に肩入れできんと、つくづく思った。

・映像作品としては、犯人側を主、政治家一家を副として描いたほうが面白くなったかもしれない。
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