旅するランナー

ビデオドローム 4K ディレクターズカット版の旅するランナーのレビュー・感想・評価

4.6
【クローネンバーグ中毒】

今観る方が、より面白くなっています。
映像に更なる刺激を求める中毒性の描写は、現代を予言しているようです。

1980年代のデイヴィッド・クローネンバーグ監督は凄かった。
スキャナーズ (1981年)
ヴィデオドローム(1983年)
デッドゾーン(1983年)
ザ・フライ (1986年)
戦慄の絆 (1988年)
この時期から、クローネンバーグ中毒になっている人は多いのではないでしょうか。

拳銃と一体になった腕や腹の割れ目への突っ込み、
グニャギニャ動くテレビから漏れるデボラ・ハリーの吐息、
ニュルニュルとしたビデオテープなど、ぬめり感が素晴らしい。
特殊メイクを担当したリック・ベイカーも「スター・ウォーズ」「狼男アメリカン」「グレイストーク」「グレムリン2」「メン・イン・ブラックⅠ·Ⅱ·Ⅲ」、マイケル・ジャクソン「スリラー」のミュージックビデオなどを手掛けていて、こちらも中毒性を持っています。

時代がどれほどデジタルに進もうが、これからも中毒性を持ち続けるアナログカルト映画になりそうです。