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あの夏のアダムのkのレビュー・感想・評価

あの夏のアダム(2019年製作の映画)
5.0
残念ながら劇場公開は終わってしまったけど、インスタの投稿を転載します!
めちゃくちゃ応援している…!

気合を入れて初日に観てきました✨👶
本当におもしろくって、"完璧じゃない"クィア映画であることの完成度が非常に高い作品だと感動しました。
オチが完璧。この映画らしさをぎゅっと詰め込んでいて嬉しくさえなった。

舞台は2006年のアメリカ、主人公はアダム。彼はシス男性ですが、クィアな姉が参加したパーティでジリアンという女性に出会い、彼女に「トランス男性とのデートははじめて」と言われることから、自分がトランスであると嘘をついたまま恋が進みます。
同性婚がまだ一部の地域でしか法制化されていない時代のアメリカ・NYという時代設定も絶妙。トランスに対する世間の知識もまだまだ甘かった頃。
ライトなタッチで、ものすごくギリギリもしくはアウトな領域を深く描いている。これは批判があるのも自然です。
(元々が小説で、小説には確かに問題点もあったらしく、それは監督らも認めており加筆修正されているそう)

パンフレットも大充実で、あらすじだけを見てネット上で猛反発する人々に向けて、上映前に監督が書いた文章も日本語訳で収録されています。
それだけでなく超ロングなプロダクション・ノートやエッセイなどなども。

聡明で笑顔がとびきりキュートなジリアンに夢中になるアダムが、彼女に好かれるため、彼女の友人たちに違和感を抱かせないために必死でトランスジェンダーについてまなぶ姿は、どうしても責められないなと思うけれど、やっぱり間違っていて。
恋の罪をうやむやにしないストーリー、俳優たちの繊細な演技、トランスがクールとされる世界観の演出。
多くのトランス(メインキャストも!)はじめあらゆるクィアな人々がこの作品に関わっているそうで、Q&Aに登壇してくれたジリアン役のボビーさんもノンバイナリーを公表しているそうで。
当事者性の高いクルーによる作品で、より集中して観られるのも嬉しいポイント。

トランスキャンプで皆が裸で泳いでいる姿のキラキラした美しさにはこみあげるものがありました。映画館で観られて良かった。

お時間合う方はぜひぜひ映画館でお見逃しなく!
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