高柳総一郎

SISU/シス 不死身の男の高柳総一郎のネタバレレビュー・内容・結末

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

1944年。第二次世界大戦末期、フィンランドから撤退するドイツ軍は焦土作戦を実行。全てを焼き払い略奪を行いながら転身していた。
そんな中、世を捨てて荒野で金の採掘を行っていた老人コルピは大量の金塊を発掘し、換金のために馬と犬を伴って旅をするが、それを見つけたナチの戦車小隊は、敗戦濃厚な軍の先行き不安から、彼を襲って金を奪うことを画策するが──
フィンランド発、やべえ老人が現れた!
アクション映画というよりは、怪異とか妖怪の類のコルピがどう殺すか、を楽しむスラッシャー映画な趣き。異常な執着と復讐心から、極悪非道のナチ兵どもを血祭りにあげていく!!
基本的にコルピの活躍とその旅を主軸に描き、途中で出会ったナチの捕虜になってる女達やナチの軍人たちのバックボーンなどは一切省くという非常に硬派な作り。西部劇のような乾いた作りを意識していて、チャプター毎の演出からもそれが見える。
相棒の犬は死なない!と強めの宣伝がされているが、馬は爆発四散するので注意。ゴアも苦手な人はちょっと気をつけたほうが良いかもしれない。でも、自分語り以前にほとんど登場人物に言葉を発させないのは結構挑戦的なんじゃないだろうか?
こんな時代だからこそ、ぜひ本作を見て「戦争なんてしてもしかたねえなあ」と思ってもらいたい。そんなマジメな作品じゃないけど……
高柳総一郎

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