すずき

SISU/シス 不死身の男のすずきのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
4.3
1944年、極寒の大自然が広がる試される大地・フィンランド。
その地で一人、金鉱を探す老人がいた。
彼はかつて、ロシア兵300人を相手に戦い、「不死身」と呼ばれた英雄だった。
彼は金塊を発掘する事に成功するが、略奪を繰り返すナチスドイツの戦車部隊に見つかってしまう。
かくして、ナチスvs 不死身のSISU元(しすもと)の金塊を巡る戦いが始まった…
(この作品は「ゴールデンカムイ」ではありません)(この作品にヒグマは現れません)(スケベすぎるマタギもいません)

「SISU」とは、言わば大和魂ならぬフィンランド魂で、不屈の精神を意味するが、正確なニュアンスを表現するには翻訳不可と言われる。
自国を守る為、多大な損害を被りながらも、ロシアそしてドイツを退けたフィンランド。
この作品は、たった1人の男の折れぬSISU魂を描いた、バイオレンス・アクション映画である。
景気のいい暴力シーンと、痛そうな描写は楽しかったが、R-15指定のエグい描写が苦手な人は注意だ。

主人公は「不死身」と言われるが、その通り名に偽り無しのタフネスに笑うしかない。
直撃ではないとはいえ地雷で吹っ飛ばされ、急所ではないとはいえ身体には幾つもの銃弾を浴びる。
エッ…自らを燃やしてるの…!?というセルフ火責めの状況から、極寒の河川での水責め、ダイナミック息継ぎで命を繋ぐ。
縛り首にされても死んだフリで敵の目を欺くが、流石にずっとそのままはキツいので、フックで身体を直接ブッ刺し吊るして一晩過ごす。
挙げ句の果てはツルハシ1本(たぶんオリハルコン製伝説武器)で飛行機にしがみついた後、ボコボコに殴られ落下大爆発!

彼が当然のように5体満足なのは、もちろん運に恵まれ過ぎている所が大きい。
しかし途中で諦めてしまえば、どの難局でも、そこで試合終了だった。
肉体の痛みにも負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、そして信じ抜く事が出来るSISU魂があったからこそ、運を掴み取る事が出来たのだッ!それが1番大事ッッ!!