ヨーロッパの絵画のように繊細な絵に大貫妙子さんの柔らかい歌声がのって、
ほんとうに魔法のような映画だった。
童話が原作、セリフまわしがまるで詩のよう、
はじめは難解だと思ったけれど、
最後まで観ると、本当に大切な言葉だけ伝えているから難しかったんだとわかった。
魔法というものはたしかにあったけれど、何千年も前に滅んだ世界。
魔法は、心の力で想像力、修練して、その力で新しいものを生み出さなくては意味がない。
魔法使いでも修練せず自分を貶めているものは、
生み出された魔法の道具を壊れるまで使い続けるしかない。
そうして滅んでいった、希望をもてなければ滅ぶ。
魔法というものの解釈が素晴らしいと思った。
魔法も魔法使いも王子様もいるのに、結局何一つその力にはすがらなかった
幽閉を自分の想像力と知恵だけで乗り越えたシーンが本当に好き。
私はもう大人だけれど、子供の心がこの物語に向かい合ったとき、どう感じるんだろう、
とても知りたいと思った。