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碁盤斬りのyoshi44のレビュー・感想・評価

碁盤斬り(2024年製作の映画)
3.6
原作は小説、そのさらに原作は古典落語の演目「柳田格之進」であるとのこと。
武士の誇りを描いた人情噺。

傑作ドラマ『SHOGUN』でも思ったけれど、武士の誇りとは気高くも厄介なもので、例え濡れ衣であったとしても名誉を汚されたから腹を切るとか、現代の感覚からするととうてい追いつけない。
でもそれが“侍”であったのだなぁと。

草彅剛の演技は久しぶりに見たがやはり良い。
不器用で生真面目な侍役が堂に入ってる。清原伽耶も当然良くて、そしてもちろん國村隼が素晴らしい。
斎藤工のもっさり殺陣を補って余りある存在感で作品を引き締める。

あの状況からどうやって弥吉がお絹と結婚まで持ち込んだのかが正直疑問と思っていたら、落語の演者によってはあの結末がないバージョンもあるらしい。
他にもオリジナルからの変更点はけっこうある。そもそも斎藤工演じる柴田は原作には登場しなかったり、「二人の首を切れ」と提案したのはお絹であったり、若干マイルド且つ物語の推進力を高めるような改変が為されていて、それはそれで好印象。
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