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ミッシングのyoshi44のレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.8
吉田恵輔監督のここ数年の新作は全て必ず、個人的年間ベストにランクインしている
そして毎度のことながら本作、体調万全で挑むべし。
精神が削られてゆくから。
もし小学校低学年のお子さんがいる方は閲覧注意。
きっと平常心ではいられないから。

失踪した娘を探す夫婦と、その事件を巡る報道の在り方を描く。
日常の切り取り方が、相変わらずエグい。
パンの焼き方、唇ぷるぷる、聞かせない台詞、物語と関係のない背後での何気ないやり取り。
およそ気が狂いそうな悲劇の片隅に描かれる日常の既視感に確かな手触りがあって、さらに気が狂いそうになる。

虎舞竜のくだり、観ていてリアルタイムでそう思ったもん。笑って良いのか、指摘するべきなのか、迷ったもん。
吉田恵輔監督は本当に性格が悪い。

ところでテレビドラマをほぼ見ない身としては、何気に石原さとみの出演作品は『進撃の巨人』と『シン・ウルトラマン』しか観たことがないことが判明。
なるべくたくさんの映画を観るようにしていたつもりだけれど、彼女の出演作で食指が動いたのは今まで2作しかなかったのだなぁと。
若干過剰な演技が気になっていたけれど、本作はそれが功を奏していて迫真。
弟役の森優作も素晴らしい。

でも、年頃のお子さんがいる家庭は本当に気をつけて欲しい。
日本では年間1000名以上の児童が行方不明になっているという事実がある。
ほんの数分目を離しただけで行方不明になる事実がある。
数年に渡り監禁されていた、という事件がある。
被害者である両親に対し、「情報がある」と詐欺を働き数千万円を騙し取った事件がある。
今も実際に行方不明の方々がいることを、どうか思い出そう。

欧米人は、日本で小学生が大人の同伴なしで登下校していることに驚くという。
世の中には、許し難い鬼畜がいる。
それもきっと、想像よりも遥かに多く。
そしてそいつらは、例え捕まったとしてもこの国では死刑にならないし、下手すれば再びシャバに出てくる。
ジェフリー・エプステインやP.ディディー然り、世界中あらゆる場所で、それは存在する。

街を歩けば幼女の姿をしたキャラクターに対して、「この子、貰える」という宣伝文句のスマホゲーム。
心底気持ち悪い。
この狂った世界、狂った人間、狂った司法。

守るのは、家族と周囲の良心しかないのだ。
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