二瓶ちゃん

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいくの二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

3.8
恋愛映画と言うにしては、、というレビューを散見したので鑑賞。

アスミックエース。

【風景を見る眼差しの「主観」をティーンに問いかけるドラマ】

全然JO1は知らなかったけど、主役の男の子、白岩さん。かっこいい。ギラっとしていた。

「おとななじみ」以来の久間田琳加さんは、制服姿が完全に私の頭の中の紺野彩夏だった。可愛い。

マスクを外す訳では無いし、両親との和解や、青磁の病気のことが曖昧なままにさらっとエピローグに行って正直モヤモヤした。

初めの方で映る茜の部屋よ。とんでもな。すごい。

まぁ、でもティーンズ向け映画としては、屋上で画材ぶちまけてワー!ってやっただけで、負の情動は全て吹っ飛んじゃったっていう超現実的な感じでいいのかも。

脇役のクセ強先生が面白かった。担任の先生もそうだけど、美術の先生、人間味しかなくて好き。

いやしかしこの作品、油断してはならないのが、自己受容というテーマをどぎつく掘っているところ。ヒロインが自分を押し殺して生きているのを見て、そして「生き方」というテーマを青磁と語り合うのを見て、これは本当にティーンズ向けなのか?と思った。マスクというアイテムを見るとポストコロナ的作品に見えるけど、全然普遍的で、優等生ちゃんたちに向けてのメッセージになっている。

私もある公立中学で教育実習をする立場になった時に感じたが、今の時代はとっても「いい子」ちゃんが多いと思った。

同調圧力を加えられ、内向的で、波を立てることを善としない、みたいな感じ。その中でふわふわしている自我を持ったヒロイン、茜。

一方の青磁は、一歩間違えたらアナーキー。芸術家!って感じだけど気が付けば繊細。

結果的に何を解決したのかわからない様な物語の終わりのように感じてしまったけど、この映画の代表的シーンって、茜が青磁に大嫌い!っていう発言からの一連のシーンじゃないのか。あれがメッセージなんじゃないのか。

Unleash yourselfって感じか。

そのほかで言ったら、ところどころの空がとっても綺麗。うっとりしていたら意外と短めでプツっと切られてしまう。そのほかも繊細なカメラワークがたくさんあったし、綺麗にものを写していると思った。茜ソロのカットで明度変わるところとか。

近い距離であるものの、手と手しか触れ合わない二人の距離に、パゾリーニにすっかり洗脳されていた私のハートに純情の炎。しかし、怒涛の終盤にももう少し繊細さが欲しかった!しかし、空!空!茜!青磁!love yourself!眼福!ということでこの評価。


茜色は知っていましたが、青磁色は知りませんでした。調べてみたら、Filmarksで言うところの、「投稿」のボタンと同じような色でした。