ベルリン国際映画祭にて。
ホロコーストより前、ドイツによる20世紀最初のジェノサイド。
1900年代初頭ドイツ領南西アフリカ(現在のナミビア)でのヘレロ戦争(Herero Wars)でおこったヘレロとナマ虐殺を若き民族学者を通して描く。
このテーマが取り上げられた初のドイツ映画とのこと。
民俗学の若き博士がヘレロとナマに興味を持ち、通訳のケジアを通して彼らに会って話を聞くうちに民族論や人種論に疑問を抱いていく。
ドイツの負の歴史を直接的に批判糾弾するわけではなく、一人の野心的な若き博士が理想にあふれ人道的善良な人間であっても植民主義者の一端だというジレンマ、学んでいる学論や教授の教えと逆行する「人種が違っても自分達とさほど変わらない」という思い、さらなる研究のためにアフリカを訪れ悲劇を否応なく見ることになってしまう苦悩などを通して歴史的悲劇を描いていた。。
一人の若者の理想は国家の植民地犯罪により打ち砕かれ、人としての魂を抜かれたようなホフマンの姿がつらい。