ゆずきよ

窓ぎわのトットちゃんのゆずきよのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.5
小学2年生の下の子と予定外に時間が空いたのでSPY×FAMILYの公開待てず映画館へ。
パウパトロール、シルバニアファミリー、すみっこぐらしが候補に有りましたが本人の希望でこちらに。
私は良いけど予想外過ぎる。
ちゃんと観れるかなぁ。

物語は、小学一年生で落ち着きが無く退学させられてしまった黒柳徹子ことトットちゃんが自由な校風のトモエ学園に転校するというお話です。
黒柳徹子の自叙伝『窓際のトットちゃん』のアニメ化作品。
原作は恥ずかしながら未読です。
何回か機会はあった筈なんですけど何故か手に取らなかったんですよね。
天真爛漫なトットちゃんは中々社会に馴染みにくそうではありますが、非常に可愛らしく明るい元気な子です。
トモエ学園に通う学友も個性的で雰囲気の良い環境。
最初に注釈が入った様に今では考えられない様な事もありますが、それはやっぱり時代だからね。当時では普通の事。
けどまぁ自由な校風とはいえ自由過ぎやしませんかトモエ学園。
いくつかの小エピソードで学園生活が伝わってきます。
この辺りでウチの子は飽き始めました。
派手な展開は多く無いので小学生には少し退屈かもね。
当時の生活の様子や街並みが描かれているのが非常に興味深い。
今年後半にかけて『Always』『ゴジラ-1.0』『あの花が咲く丘で君とまた会えたら』など昭和の日本を舞台にした映画を観ていたので、それぞれの時代考証の比較など出来て変な楽しみ方をしてしまいました。
運動会の一着で大根もらえたりするんだとかね。
今作はその他には音と光の演出が良かったり、途中で画風の違うアニメーションが挟まれたりとかなり凝った作りでした。
終盤に差し掛かって戦争が始まった事で雰囲気が暗くなりました。
本当に戦争ってやつは誰も幸せにならないのよね。
でもそう言えるのも現代の私達だから。
そしてそこから更に悲しい出来事がトットちゃん達に訪れます。
この辺りで半分寝ながら見ていた我が子もカッと目を見開きました。
私はこっから泣きっぱなしです。
ラストもすっきりするかと言われればそうじゃ無いですけど希望のある終わり方でした。

全体的に私は凄く良かったです。
ただ一つ一つのエピソードが結構単発なので少し中弛みします。
そのエピソードも日常の一コマなので新聞の四コマ漫画に近い感覚でした。
小学校低学年が観るには難しい訳じゃ無いけれど少し退屈だったのかも知れません。
それでも大人しく観ていてくれた我が子に感謝しつつ私もトモエ学園の校長先生の様な気持ちを持ちたいと思うのでした。
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