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窓ぎわのトットちゃんのnamのレビュー・感想・評価

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
4.1
「人とちょっと違うトットちゃん日常と迫り来る戦争の足音」

あまりに評判がよいのでいってきました。
作品自体の名前は何度か映像化もされているので知ってはいたものの、テレビでの黒柳徹子さんの印象が強くなかなか興味を持てなかったのですが単なる自伝的な幼少期のストーリーというだけでなく、戦争を背景とした日常の描写やそんな中での子供の絆や成長、教育などとても楽しめる作品でした。

落ち着きのない子供で普通の小学校にはいれなくなってしまった、いわゆる今で言うADHDのようなトットちゃんとはいえ純粋で無邪気な姿にはとても愛らしい。そして色んな課題や悩みを抱える子供たちとの共同生活の中での絆を育んだりと学園ものとしても面白かったです。

さらに決してメインのテーマではないものの徐々に日常に侵食してくる戦争の風景は「この世界の片隅にる」とはまた別視点の少女目線での戦争というのも感じさせてくれます。

またアニメーション表現も素晴らしく、優しいタッチの作画をメインとしつつ、子供の想像力が働くイマジネーションの世界ではより自由なタッチにシーンごとにも制作プロダクション自体を分けて表現していたのも印象的でした。

今年のアニメ作として代表的な一本でした。
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