原作刊行時は今みたいなメタ鑑賞の対象ではなかったので(=徹子が)、作品世界が多くのひとの心に抵抗なく入っているっぽい近況にちょっとした感慨を覚え……あー、分かりにくいですか。
“同時代のひと”であればあるほどシンパシーと同量のアンチパシーが湧くものじゃないですか、たとえば「The W 2024」を面白かったって言うひと以上に面白くなかったと言うひとの声のほうが大きい、みたいに(見てないからThe適当発言なんですけど)。
40年前、原作がもてはやされる風潮にガチでイラつく人は少なくなく、当時の勢いに任せて本作が世に送り出されていたら、こんなすんなり受け止められていなかった、それはもう疑いようもないことで。ってたいしたことない老人感想に何行使ってしまったのか俺。
中国本土で正規翻訳版がものすごく売れている、という話を聞いたのも7年とかそのぐらい前のことですから、なるほど時の流れに漂白されることで物語の核がちゃんと伝わることもあるんだな。そんなふうに思いました。