Filmarksでやたら評判が良いので、アニメ版の1話だけ観てから劇場版にトライした。
人間の体内を擬人化するアイデアはとてもユニーク。アニメ版はEテレの理科の番組みたいで大人が観るには辛い感じがしたのだが、この劇場版では体の主である父娘を阿部サダヲと芦田愛菜が演じて家族ドラマの要素をプラスしたのが功を奏し、二層構造の面白さがある。芦田愛菜の体内が和歌山ポルトヨーロッパや大洗シーサイドステーション等で撮影したキラキラな町並みなのに対して、阿部サダヲの体内が新横浜ラーメン博物館で撮影した終戦直後っぽいドヤ街って、落差あり過ぎで笑ってしまう。
好きな男子に接近すると体内がカーニバル状態になったり、便意を催した肛門でのせめぎ合いが地獄絵図だったり、人間の外側と内側の対比を描く構成は、大人も子供も楽しめると思う。
しかし、明朝体やゴシック体が無節操に混ざるセットと衣装、説明的なセリフとテロップの応酬など、まあ昭和の特撮戦隊もの辺りを意識したのだろうけど、同じく人間の体内を擬人化したピクサー制作の「インサイド・ヘッド」が色とデザインだけで世界観を構築したのと比較すると、やはり安っぽく見える。
こうやって敢えてチープな笑いに走ってしまうのは、日本人のシャイな部分の表れとも言えるだろうけど、同じ監督が作った「翔んで埼玉」同様、そういう部分はあまり好きになれない。