救済P

アイドルマスター シャイニーカラーズ 第2章の救済Pのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

等間隔に置かれた点の上を歩いているような映画

とにかく激情がのらない。全て劇伴の力によるものだ。
なにが起こっても劇伴の圧倒的な力によってフラットにされてしまう。恋鐘が激情を抱いても、イルミネーションスターズが本当の意味でユニットになっても、WINGという一大イベントのステージに立っても、アニメ内番組回を挟んでも、何をしても劇伴によって空気が均一にされ、等間隔な点の上に配置されてしまう。
シャニマスのトンチキや痛いほどにシビアな曇らせは鳴りを潜ませ、穏やかな時間の中で淡々と一つ一つのイベントが消化されていく。緩急が全くない。目を疑うほどに美しく配置された真円の上を一歩一歩歩いている。悪く言えば「退屈」、よく言えば、     ………………よく言えば………………よく言えば……………………。。。

嬉しいシーンもいくつかある。もちろん喜びと悲しみの感情を完全に両立させ笑顔のまま泣き出す果穂、これが良くないはずがない。1章ではリリース当初を思わせるほどユニット間の交流がなかったが、WING以降は打って変わってユニット間で刺激し合うことで新たな可能性が開ける展開は嬉しかった。露骨な萌え行動に出るはづきさんも良い。全ての元凶である一日署長灯織を挟むのも小ネタとしてよくできている。社長とPのバーのシーンはさすがに癖だが良い癖なのでどんどんやっていい。

しかしそれらにも不満がある。最大の見せ場であった果穂の涙の後に同じスキームで恋鐘のシーンを置くのはさすがにくどい。笑顔の意味、涙の意味、もちろん両者は全く違ったシーンであることには相違ないが、側から見た時のスキームは全く同一なのでこの短時間に並べられるとさすがに果穂で抱いたエモーションが薄くなると同時に恋鐘に激情を抱けない。ユニット間交流についてもお互いが刺激を受け成長する展開は嬉しいが、成長の過程がかなりテンプレ的で味がしない。

シャニマスの知識があればある程度楽しむことができるが、2章を経て天井がここにあることがわかってしまった。3章の予告では『太陽キッス』っぽい振りが見えたので今はそれだけが楽しみ。どうか俺を裏切ってバカなレビューだったと笑わせてくれ。
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