救済P

幻夢戦記レダの救済Pのレビュー・感想・評価

幻夢戦記レダ(1985年製作の映画)
3.5
いかにも80年代のヒロイックファンタジーといった作品。「人間界と異世界」「ビキニアーマーの美少女」「魔法と破壊兵器の共存」「妥協のないロボによる戦闘シーン」「変形ロボ」「シリアスな精神世界描写」「戦うモチベーションが恋愛感情」と『超時空要塞マクロス』や『天空の城ラピュタ』のようなロボxファンタジーの構成要素を全て持っている。

コンセプトベースで作られていることを隠す気のないシナリオは置いておいて、人物や動物だけでなくロボや怪物に至るまで、物体の動きが現実的でかつ華がある。重力や空気抵抗によるイージングが意識された動き方は人物を美しく魅せることに、物体には説得力を持たせることに成功している。古いアニメでシナリオも平凡だがそれでも飽きることなく見続けていられるのは、よく観察された実世界のモーションが非現実的な魔法とロボの世界と融和することで一介の女子高校生に過ぎなかった主人公が異世界を舞台に現実世界を救うスペクタクルに対する没入感を与えてくれていたからのように思う。

ヘッドホンステレオを「レダのハートだー!」っつって敵に奪われた時の「違うの........それは........... それは、違うの」しか言えんくなっとる陽子の反応がおもろい。現実的に考えて違うからそれしか言えないのはそれはそうなんだけどあまりにもアニメ的ではなくて笑ってしまった。俺ももし同じことされたらそれしか言えんくなるけど。
Xで話題になっていたが陽子のパンチラシーンが美しい。芸術のパンチラ。義務的に与えられるサービスシーンとしてのパンチラではなく、前述した現実的な動きによってもたらされるスカートの翻りは偶然に写り込んでしまった意図していないパンチラだという印象を我々に与える。少年漫画の薄く貼られたトーンで演出された乳首によるエロスは決してエロ漫画からは得られないように、現実の動きが落とし込まれることで生まれる奇跡体験としてのパンチラは昨今の当たり前となってしまったヒロインのパンティーからは得ることのできないパトスをもたらしてくれる。
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