SAND LANDのmareのレビュー・感想・評価

荒野を戦車が走るシーンだけで映像的には満足だし、ハッキリとした正義と悪の少年っぽいストーリーがストレートで気持ちいい。埋もれるキャラクターが一人もいなくてデザインが立っているのは鳥山明の才能であるのは言うまでもないが、悪魔なのに良いやつ、誰よりも人間味に溢れている逆説的な設定が少年心をくすぐる。強大な軍に立ち向かうたった三人の人間と悪魔の協力関係、頭を捻るようなアイデアの数々も登場し、どこまでもワクワクさせるアドベンチャー。そもそも鳥山明の絵が動いているだけで楽しめてしまう。原作通りに進むかと思いきや微妙なアレンジもされていたが、普遍的なメッセージを直向きに発信する姿勢は変わらずに、人間の愚かさを伝えていた。