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記憶の棘のmareのレビュー・感想・評価

記憶の棘(2004年製作の映画)
3.5
再婚を目の前にして、前の死んだ夫だと名乗る少年が現れる。生まれ変わりということを周囲の大人たちは信じるはずもないが、その少年は二人しか知らない事実を次々に語り出す。この設定にファンタジーというよりも、侵入者モノのスリラーという見方もできそうだと個人的に感じた。一人の人物によって心を激しく掻き乱され、その荒唐無稽さがリアルを弄んでいるような感じがあるが、ひたすらに真剣なトーンで描き続ける異様さ。グレイザーは寡作ながらもジャンルの隙間に入り込んでくるトリッキーな映画を撮る。少年役の冷静沈着な演技が時間が経つごとに妙な色気を纏い始める。
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