さわだにわか

肉弾鬼中隊のさわだにわかのレビュー・感想・評価

肉弾鬼中隊(1934年製作の映画)
3.7
威勢のいい邦題からはなかなか想像できない不条理劇のような戦争映画で、放棄された砂漠の礼拝所に立ち寄った兵士たちが姿なき狙撃手によって一人また一人と命を落としていくが、今際の際の苦しみも後に残る者たちへの言葉もないその死の描写は一切のドラマを欠いて、現実感を失わせる。これは戦争というよりも神の試練として捉えるべきなんだろう。絶望的な状況の中でただ一人信仰を守ろうとするボリス・カーロフが痛ましくも崇高。
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