えいみー

キリング・ロマンスのえいみーのレビュー・感想・評価

キリング・ロマンス(2023年製作の映画)
4.2
クソバカB級コメディ。映画中、チープで「え?まじですか?」と聞き返したくなるようなギャグのなんとも個性的なノリとテンポで展開するので、このノリを受け入れられるかが楽しめるかどうかだと思う。だけど俳優はみんな上手いし好感度高いので、最初イミフなギャグのノリがあっても、彼らを好きになっていくはず。ジョナサンのナチュラルなラスボス感は必見!上映中大爆笑の絶えない映画なので、映画館で観る方が楽しいと思う。

一見、ギャグで構成されているドタバタコメディだけれど、そのストーリーの骨組みは現代の社会構造をシニカルに描いている。負け組 vs 勝ち組や、権力vs 情熱 という普遍的な構造がしっかりとあるので、話がまとまっているし分かりやすいのだと思う。また、王道から外れないのも、やりたい放題の演出のはちゃめちゃギャグだらけでもしっかりと展開を見せてくれるのだと思う。

この映画に出てくるギャグは、ソウル大入試の非人道的級ハードさや、金持ちでさえあれば何をやっても許されるというような社会構造の不条理さにも基づいている。抑圧され、蔑まれている負け組が、パッションでその権力に闘いを挑むというまあまあシリアスなテーマでもある。そのため、単なるクソバカB級ギャグ映画に止まらない心に残る何かを残してくれる。

…ジョナサンめっちゃ好きです!