タツベイ

ミッシングのタツベイのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.6
"この世界は
いつ壊れたのか"
娘の失踪。
空っぽになった心は
光を求めて
壊れた世界を生きる。


大好きな吉田恵輔監督でしたが
今回あまりハマらず。
石原さとみ渾身の演技は
確かに素晴らしく、
母としてこの作品に挑んだ覚悟が
これでもかと伝わってきました。
個人的に、吉田監督本人も言っていた
「吉田組に石原さとみは綺麗すぎる」が
1番気になってしまったところ。
ボサボサの髪、印象的な唇は封印して
捨て身で挑んだ役とはいえ
抜け切れてない綺麗さ。
石原さとみの覚悟をこれでもかと
推していたのもあり、期待したけど
そこにあまりハマれなかった。
ただあまり期待してなかった青木崇高が
素晴らしかったのでそこは結果オーライ。
ヒスった妻と蟠りを感じつつも
それでも支え続けるかっけえ父親。
冷静に、それでいて娘への愛と望みを
常に捨てない姿勢がかっこいい。
幸せそうな家族を見ながら
涙目でタバコを吸うシーンが
自分には1番の見どころ。
森優作もナチュラルな演技と
ハマり役で素晴らしい存在感。
脇を固めた役者が良かった印象。

娘の失踪や行方にはあまりフォーカスせず
失踪によって絶望する両親や
マスコミの善の一面と悪の一面を描き
淡々と進んでいくストーリーに
何も起こらないなあと思って観てしまったのが
正直な感想です。
今の自分には響かなかったけど
親になって観ると見方が変わるかな。
そんな自分が希薄な人間な気がして
結局は自分も他人事のネット民なのかと
そんなことを感じてしまった。
言葉で伝えるのは難しいですが、
良さは分かるけどハマらなかった、が
1番の感想。
タツベイ

タツベイ