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ミッシングのyoyoyoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
3.8
メンタルやられるかも、とびくびくしながら鑑賞。ある日突然行方不明なった我が子を探し続ける夫婦。初っ端から、石原さとみが薄化粧で舌打ちしたり顔歪めたり不機嫌そう。この人はやはりノーメイク(に近い)でも美人だなあと、ぽってりとした上向き唇と、先のまあるい鼻の横顔を見てマジマジと思った。
にしても、髪の毛振り乱して涙だらだらでギャアギャア騒ぎ、不機嫌に喚いたと思ったら次の瞬間必死に取り繕う姿は不安定で生き地獄のような状態をよく表現していたように思う。
夫役の青木崇高が絶妙な塩梅で、恐れ入った。うまい。なんとか保っている精神状態と妻への想いが伝わってきた。
石原さとみ演じる沙織里の弟さんが、見るからに生きづらそうで不器用で、しんどかった。追い詰められて生きることをやめてしまうのではないかと終始はらはら。
追い詰められ切羽詰まった人間が、感情を爆発させて行き場のない思いが誰かに向けられた時の、あのどうしようもない苦しみは出す側も受ける側もその空間に居合わせたものも、とんでもなくくらうよなあ、とリアルに思い出した。

緊迫した苦しい悲しい状況の中に、偶然起こった面白みみたいなもの。この描かれ方も絶妙で、監督、うまいなあって思った。
こういう偶然起こる「面白み」に、ちょっと救われることあるよね。
だらだら書きましたが、良かったです。
沙織里の仕事仲間の女性が、爽やかで軽やかでよかった。いろんな人がいるよね、ほんと。
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