tony

ぼくたちの哲学教室のtonyのレビュー・感想・評価

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)
3.7
ベルファストの空撮が挟まるが、画一的で窮屈にみえるつくりがあの街と人を物語っていた。壁画に頼っていることもシャッター商店街同様に苦し紛れな方法に思う。自由な場がない。
小学校に道徳の授業は今もあるのだろうか。4年生の時、先進的な教育を目指していた先生が担任だったので、あのような自分の考えを言い合うことをやらされた記憶がある。でもあれほど自主運営で建設的ではない。ただ自分の意見を先生に向けて言っていた。ひとクラス40人で日々どこかでいざこざが起きて教科の授業を取りやめて先生の説法をほぼ毎日聞いていた。その時間は先生もうんざりしていて険悪雰囲気になるので、子供の私はそうなることは良くないことだと思い、ことを起こさないようにするのが良いことだと分別してしまった。私にはただ授業が進められないことに対して先生の憤りを感じる時間だった。今となっては先生にもっと有意義な議論にネゴシエートして欲しかったと思う。もっと私たちの生活上で起きた問題について善か悪の両極端で判断しない意識づけを私たちにして欲しかった。
tony

tony