ジム・ジェームッシュはパターソンの監督。アメリカ人。世界各地の夜中のタクシー運転手と乗客の会話と流れる景色による物語を５回繰り返す。賑やかなアメリカから徐々に静かな街になって静寂のヘルシンキで終わる。各都市に似合ったキャラの運転手と乗客、そして会話の内容。それがその都市の風景とも違和感なくマッチして、各都市を現した物語が５回繰り返される。（私が住んだことも行ったこともない場所なので、大多数が想像する既成概念を反映したものになっていて、現地住人には違和感があるのだろうけど。）時間を夜にしていることで要素を減らし、その都市の特徴を浮かび上がらせているし、各都市を対比しやすくしてる。この映画はシンプルな設定で世界の多様さを表現するというチャレンジなのかと安易に考えるけど、現地住人にとっては違う見方ができるのかもしれない。表層ではない深層にあるものが私にはまだわからないが、この映画を経験していることでこの先、なにかの時の手がかりになるかもしれない。
