1988年、銀座。場末のキャバレーでピアノを弾いていた博は、客の一人に『ゴッドファーザー 愛のテーマ』をリクエストされて演奏する。しかしその曲は、その界隈を仕切るヤクザのボスしかリクエストしてはいけない曲だった。弾いていいピアニストも、ボスお気に入りの南という男だけ。ざわつく夜の街で、博と南を取り巻く群像劇が幕を開ける。
舞台のような魅せ方だと思った。支離滅裂だけど、自然に受け入れられる。池松壮亮、今まであまり見てこなかった俳優さんだけど、いいね。高橋和也が渋くて格好良かった。
上映時間的な都合で観た映画だったから、想定外に良くて嬉しい誤算だった。ノスタルジックで、ふざけているけれどちょっと切ない。素敵なダイナマイトスキャンダルの監督と知って納得。