何気ない街の景色や、風に舞う落ち葉、木漏れ日などの描き方が綺麗だった。
生きる意味、人生の目的、そんな大それた悩みで自分を見失っていないで、一日一日を大事に生きましょうというメッセージは直接的すぎるけれど、ピクサーがわくわくする冒険物語にしてくれるので説教臭さは感じなかった。
特に床屋のシーン。ゼスの話は大抵の人が紆余曲折を経て生活しているという当たり前のことをジョーや22番に気付かせてくれたし、「生きるということは死ぬ価値のあるものなのか」「何かをするために生まれてくるっていうけど、その何かってどうやってわかる?違うものを選んじゃったら?」という22番の話に聞き入る床屋のお客さん達は、こういう疑問は人類の普遍的な悩みだと安心させてくれる。
夢を叶えても、別に世界は大きく変わらなかったり。リアルな反面、結末はちょっと優しすぎる気もした。カウンセラー・ジェリーが意外と話のわかるキャラで良かったけど。