気になってたのに初ウェス・アンダーソン。レトロポップでどこか東欧雑貨チックな画、PARCOが似合うお洒落センス、毒々しくないカラフルな色彩。それらにベネディクト・カンバーバッチがしっくりマッチ!カメラ目線の俳優たちが、ト書き付き状況説明を早口でまくし立て。その手法がシンプルに楽しい。なんてことないストーリーなのに、小さな子供が親の言葉を「次は?次は?」と目爛々と輝かせ、ワクワクしながら待ち構えてるような気分。「それで?それで?」と惹き込まれ観てる間は「頭空っぽ」の疑似瞑想体験をさせてもらってたのかも。
若い頃私も瞑想や超能力にやたら興味ある時期があった。海のある南国暮らしで、それに類する力を自然と身に備え超然と暮らしているオンチャンオバチャンの存在に圧倒されて。意識して「身につけたい」なんておこがましいというか愚かなことだと悟りましたが。そんなことよりも周りの人を気にかけ、困っている人がいれば手助けする。単に「地域暮らしの相互共助」だったりもするけどこれが無自覚的に身に付いていて、そのやり繰りで日々過ごしていく地域生活。「してもらうばかりでなく、私もできることでお返ししたい」と素直に思ったもの。ウェス・アンダーソンはテキサス出身だそう。テキサスの田舎暮らしは彼の作風にどんな風に結び付いてるのだろう?影響あるはず。気になる。