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FLY!/フライ!のnetfilmsのレビュー・感想・評価

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)
3.7
 アメリカ北東部にあるニューイングランドの小さな池。ここで家族と暮らすカモのマックは、子どもたちが寝る前、興味本位で池を飛び出したカモに待ち受ける悲惨な末路の話を繰り返す。マックは池にいれば一生幸せに暮らすことができると信じていたのだ。そんなある日、一家が暮らす池に、新たな居住地に移動する途中の渡り鳥が立ち寄る。その自由な姿に、妻のパムや息子のダックス、娘のグウェンは大興奮。自分たちも外の世界を見てみたいとマックに懇願する。いわば近年のディズニーの十八番を奪う様な子供向け作品で、この池から遠くへ行ってはいけないと父親は子供たちに言うのだが、そんな狭く小さな世界に子供たちは安住しない。最初のうちは、安全で住み慣れた家や環境から離れることに抵抗感を示していたマックだが家族の猛プッシュもあり、初めての大移動(=お引越し)を決意。目指すはカリブ海の輝く楽園・ジャマイカである。
 
 ディズニーなら間違いなく息子のダックスが少女と出会いジャマイカへ向かう流れになるはずだが、イルミネーション映画では親子水入らずの家族の冒険旅行となる。マック同様に叔父のダンおじさんも極度の怖がりで自分たちの庭を出ようとしないのだが、息子のダックス、娘のグウェンの懇願により渋々家を出るわけだ。鳥という動物の擬人化という点では少し前のディズニー映画のお株を奪う展開で、主人公家族のカモを筆頭に、サギやアヒルやペンギンが大挙登場し、それぞれが多様性を謡う世の中同様に互いを認め合う。カモの天敵は一見、サギであるかに見えて実はレストランで鶏料理を提供する強欲な料理人こそがカモの家族の天敵であり、擬人化した先には愚かな人間が待っているというのもテンプレ通りで決して大きな破綻はない。とはいえ『スーパーマリオブラザーズ』とは異なり、こちらは王道の子供向けアニメの印象で、それ以上でも以下でもないというのが正直な感想である。
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