Jun潤

FLY!/フライ!のJun潤のレビュー・感想・評価

FLY!/フライ!(2023年製作の映画)
3.2
2024.03.24

予告を見て気になった作品。

とある場所にある快適な池に暮らすマガモの一家。
父であるマックは渡り鳥なのに移住をしたがらず、子供のダックスとグウェンにも池の外は危険であることを頻繁に伝えていた。
しかし妻のパムは子供たちに広い世界を見せたいと願っており、マックを臆病者と非難する。
子供たちの安全と将来について考えていたマックは、同じ池で彼と同じように一度も移住をせずにいた叔父のダンの姿に自分の未来を感じ、移住を決意。
こうして、マックたちと、グウェンの純粋な気持ちに動かされたダンたちの5羽は、初めての移住のためにジャマイカへ向けて飛び立つ。
しかし初めての移住の旅は危険に満ちていた。
果たしてマックたちは無事にジャマイカに辿り着くことができるのか!

うーん、製作陣のトップにヴィーガンでもいたのかな。
今作を観た子供たちが鴨肉食えなくなっちゃうぞ。
人間の描写が序盤まで全く無かったことから、今作では完全に自然界での描写に振り切るのかと思っていました。
しかし途中でニューヨークに立ち寄り、密猟されたっぽいデルロイを助け出すぐらいならまぁまだよかったかもしれません。
しかし鶏肉を調理するシェフの仕事を否定しているような描写はどうなのだろうか。
そのうえ、家畜として育てられ、ビジネスとして取引されたアヒルたちまで開放させてしまうとは。
これでは天然ものとか養殖ものとか関係なく鳥にだって自由があるんだぞっていう一方的なメッセージになってしまった印象です。
自然界で生きる鳥たちと、人間と共生する鳥たちのどちらも登場させて、人間と自然との両立みたいなところまで描ききって欲しかったところです。
まぁ動物が主人公の作品で悪役を人間にするのは王道ですし、そうなるとどうしてもこういう描き方になりやすいのは仕方ないのかもしれませんが……。

作画については鳥ですね。
鳥そのものの動きも、実写作品では観られないようなもの、アニメーションだからこそできるものを描いていました。
また鳥から見た自然やビル群についても、鳥ならではって感じがして良かったです。

今回は日本語吹替版でしたが、「鳥」にまつわることわざや熟語を上手く使っていてそれもまた良かったです。
Jun潤

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