歴史っていわゆる「歴史スペクタル」とか「大河ドラマ」とかみたいにドラマティックに壮大に、さも志高い人間ばっかが作り上げたものみたいな見せ方される事多いけど、実際はその辺にいるような色んな種類のおっさんたちが主に自分の欲とか小さな周りの人間関係とかを第一に考えて汚く泥臭くやり合ったりした結果でしょ、名を残す有名なやつなんて、どーせ、空気読めなかったり意地汚かったり小賢しかったりクソ真面目だったりした変なやつしかいないでしょ、絵になるかっこいい場面なんてそうそうなくってなんだか現代から見たらシュールな感じになることの方がむしろ多かったんじゃないの？
っていうのをおちゃらけコメディとかデフォルメしたファンタジーとかに変に走らずに、北野武監督印の真面目な時代劇仕立てにしました、という感じ。そしたら秀逸なコントみたいになりました、と。
改めて思うとアウトレイジでもヤクザ映画に対して同じようなことをしようとしてたのかもな、と思った（気のせいかも）。
たけし監督映画を全部見てるわけではないけど、こんな感じで唯一無二な映画を作れるというのはやっぱ凄いんだろうな、と思った。甲賀の里の踊りとか白塗りのジャバザハットみたいなやつの妖怪ルーツのキモジャパンホラー的センスとか、これまたB級ホラー的なバイオレンス描写のセンスとかって、貴重な日本映画監督の要素だよな、とか全然素人ながら思ったり。
