ウォン・カーウァイが、2001年製作のオムニバス映画「愛の神、エロス」の一編として発表した短編「若き仕立屋の恋」のロングバージョン。
1960年代の香港。仕立て屋見習いの青年チャンは、美しい高級娼婦のホアと出会い、魅了される。それ以来、ホアが他の男のために着飾る服を、愛情を込めて仕立て続けるチャン。やがて時は移ろい、ホアはかつての精彩を欠いていき、すべてを失っていくのだが……。
昨年ウォン・カーウァイ観まくったので、今作を鑑賞。
原題が『愛神 手』とある通り、手が美しい変態的な恋愛映画。
直接的なスケベ表現はなく、ウォン・カーウァイらしい美しい映像。
部屋の調度品がオシャレ!
主人公2人も美しい!
でも変態的!
主人公2人の初めて出会うシーン。
高級娼婦の高圧的態度からの彼女の手によって純真な青年から妄想変態青年が完成。
中華ちまきと手を使った官能表現はなかなかの変態!
青年チェンは預かってる彼女のドレスの裾から手を入れて悶えるなど、立派な変態!
ラストの2人のシーンの手の描写は凄く切なくて良かった!
自身の美貌で男を虜にしてきた女性とそれを理解しながらもその女性に魅せられる青年。
上顧客と仕立て屋。
年上女性と青年。
2人の関係性と複雑な感情の揺れを56分で観せてしまう。
美しい良作映画でした。