ゲイリー冨久津

ベルリン・天使の詩 4K レストア版のゲイリー冨久津のレビュー・感想・評価

3.5
ヴィム・ベンダース監督。
1987年・第40回カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞した傑作ファンタジー。

不思議な映画でした。
ベルリンの壁が崩壊する前にドイツ人監督により撮られたベルリンの映画という時代背景を入れつつ鑑賞。

戦争の悲惨さなどを表している場面などもありましたが、それほど多くはない。
むしろ全体的に優しい感じの映画ではありました。
でも何を表現しているのかは、よく分からない。

刑事コロンボのピーター・フォークを映画で初めて観ました。
あんな声なんですね。

天使のオジサンが街をウロウロ。人間の営みを観察したり、寄り添ったり、他の天使とお話ししたり。
そんなオジサン天使がサーカス団の女性に恋をして天使から人間になる。
色の無かった世界に色が付く。
そんな感じの映画。

でもラストで少し様子が変わる。
元天使のオジサンとサーカス団の女性が初めて会話をする場面。
彼女から、これからの2人についての覚悟のような発言がありました。

そのセリフにはベルリンの壁を壊して、東と西が一つになる覚悟といったニュアンスも感じ取れ、非常に政治的メッセージの強い映画だなという印象を持ちました。

その他のシーンでもいろいろ意味あるんだろうなと思い、帰ってからいろいろ解説なども見て見ました。

「初見でそんなん分からんわ!」が良く解りました。

この映画の数年後にベルリンの壁は崩壊。

壁のある時代のベルリンを映した映画として、内容も含めて歴史的な映画でした。
ゲイリー冨久津

ゲイリー冨久津