ぱちゃん

キリエのうたのぱちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます


難しかった。
小説読んでからの方が面白そう。
こっちまで動悸と息切れしてしまいそうなほどの狂った男からの強制的な性的なシーンと大震災のシーンがあるので、見る人は注意した方がいいかも…

3時間の映画で不安だったけど、そこは全然クリア。とはいえ疲れる。それぞれの人生が重すぎる。



路花(キリエ)
アイナ・ジ・エンドさんの歌声はクセがあって、正直言うと少し苦手意識があったが、この役はアイナさんだからこその役だと思った。歌、魅力的でした。

逸子
すずちゃんかわいい。どの髪色でも髪型でもかわいい。でも逸子の雰囲気からするともう少し大人のキャスティングでも良かったのかな。どうなんだろ。
女を武器にしていくのが嫌的なことを言っていたのに、結局一番女を武器にしてしまう人生を歩んでいるところ、悔しい。笑っていて優しいけど最後の海のシーンで真織に少し戻っている気がして切なかった。

夏彦
松村北斗さん、演技良すぎた。
どうしようもない本当に。彼女の妊娠に対する焦りと不安と葛藤が目や声、態度からひしひし伝わってきて、震災のシーンで希を心配しているところも、希を失って大阪で路花と再会する時のところも、この人はずっと抱えて生きているんだと声と表情だけでわかる。責任を取らなければいけないと自分を責め続けている夏彦の危うさと儚さ、なかったことになるのではないかという逃げたい気持ちとそれに対する自己嫌悪、伝わりすぎてすごかった。
ただ、希を失う前の子どもができたことに焦燥している感じとか久しぶりの電話の感じとかは少しイライラする。でもそこがいいんだよ、最高の演技で自然すぎた。好き。
最後にまた路花と再会した時も、あぁこの人はキリエを通して希を見ている、とすぐ分かったし、許してと泣くところも、あの時から時が止まったように自分を何年も責め続けている夏彦が苦しくて泣きそうになった。


路上ミュージシャンの男性が警察に連れていかれそうになるシーンも、幼少期の路花が児相に保護されるシーンも、高校生になった路花が里親に戻されて夏彦が児相から強く当たられるシーンも、世の中って本当に冷たいしルール上仕方なくても理不尽なことばっかりで、だからこそ最後の公園のフェスで警察に止められながらも歌い続けるキリエのシーンを対比的に演出しているのかな、とも思うけどまぁ混沌よね笑


気になったところとしては
やっぱり夏彦のことがあるから、希とキリエは同じ役者がつとめないといけないのは分かるんだけど、キリエは声が出せないのに希もほぼ同じ喋り方だったこと。不思議で変わった子ではありそうだったけど、あまりにも同じすぎて、ん???となった。
あと露出シーン。震災のところもそうだけど、下着である必要あったのかな。意味無いのでは…

震災のシーンだけど、
電話の感じ、希は事態をそこまで重く捉えていなくて夏彦は焦っているように見えたけど、なんで希は路花と再会できたあとに諦めたようになってしまったんだろうと疑問だった。小説読んだら分かるのかな。


色々思うところはあったけど、松村北斗さんの良さに気付かされたので結果オーライ
ぱちゃん

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