ミント民

キリエのうたのミント民のネタバレレビュー・内容・結末

キリエのうた(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

アイナ・ジ・エンドに“キリエ”としての 幼さと大人の色気 を見せつけられると、ギャップとかではなく妖女そのものに思えた。
アイナジエンドは宮城県の女川町にアイドル時代に縁があってライブをたくさんしていたこともあり、生々しい傷も生き延びる強さも受肉して表現してたのかなと思う。

キリエとルカ姉妹の家庭がクリスチャン系ということから「ルカ」というのは福音書から来てるのだなとわかったけど、
「キリエ」の意味は、使徒や天使の名前なのかなど知らなくて、でも「キリエ」と言ってる印象的な聖歌が耳から離れないし、たぶんこれもキリスト教的な意味があるのだろうと鑑賞後に思わず調べた。
そしてなんとなくこの映画のひとつの視点が得られた。
イッコちゃん(いや、この場合マオリちゃん)だけが、キリエのことを憐れな子と思わずにただ純粋に接してくれて、キリエもそれに心を預けた。
けれど、キリエのことを憐れと思わなかったマオリちゃんは自身が憐れな方に行ってしまった。

登場人物の全員に、良い意味で共感しなかった。
共感する隙を与えてくれなかった。
それが3時間も続くけど、それゆえキリエをファンタジーな存在にさせないし、2023年に歩いてるんだなと思った。
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