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ファイアーブランド ヘンリー8世最後の妻のtaruponのレビュー・感想・評価

4.0
史実から考えると、後半結構フィクションだと思うけれど、食うか食われるか的な緊迫感が面白かった。
ジュード・ロウのヘンリー8世、もちろんワンマンな絶対君主なのだけれど、キャサリン・パーに裏切られたと思った後、足の痛みに苦しむ中で、また今度の妻も自分に対して幸せを運んでこないと疑心暗鬼に苦悩するところとか、実際のヘンリー8世もさもありなんと思える。
それにしても、あのハンサムなジュード・ロウがめちゃ太っていて役作りとは言え・・・・。
アリシア・ヴィキャンデルのキャサリン・パー。賢く冷静でありながら、性格の良さや優しさも感じられて良い印象。
最後のどんでん返しでの生々しさがだからこそ際立つ。

面白いなと思ったのは、3人の子ども達の立ち位置と攻防。キャサリンが継子たちを引き取りきちんと養育したという史実に則っているが、エドワードは大事にされてきた跡取り息子で、幼いし素直、キャサリンが投獄されたことへの異議も伝えようとする。
エリザベスは、母も物心がつく前に斬首され日の目を浴びてこなかっただけに、キャサリンに対する愛情はあるが外から様子を伺う観察者としての視点。
そして、メアリーはある程度の年齢までは王女としてちゃんと育ちその後不遇に見舞われていることもあり、周囲を警戒しつつも自分の立ち位置をきちんと示そうとする。エリザベスとは母の因縁を考えても仲良い姉妹にはなれないよねという雰囲気をチラッと醸し出すのも面白い。

私的に、すごくワクワクしたのは、ロケ地がかなりの部分でハドンホールが使われていたこと。
念願かなって昨年行ったばかりなので、室内も庭も「ここもそうだよね・・」と興奮しながら見てしまいました。
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