とても静かな映像。
小さな部屋にガランとした空気感。
はっきりと朝を迎えておらず、朝日がまだ届かない時間。
仕事の支度を終え、玄関から出かける時に空を見上げて笑みを浮かべる。
中年の男は自然と目覚める毎日、薄く笑みを浮かべる。
淡々と仕事をこなし、仕事の合間に喜びを見つける。
どんなに小さいことでも喜びは喜びなんだ。
たぶんきっと年代を考えて自分と重ねてしまうからなんだろうが、胸をギューッと掴まれる感覚に襲われる時がある。
何かが悪いわけじゃない。
誰かが悪いわけじゃない。
でも、どうしても薄く浮かべる笑顔に隠された過去を推測してしまう。
いくら考えても無駄なことなのに。
先を見て毎日朝を迎えて小さな喜びを見出すことのほうが大切なことなのに。