atsuki

PERFECT DAYSのatsukiのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.0
役所広司と女たちの交感。乱してしまうのは男。いつもの缶コーヒーが2本になること→”同僚のせい”と”姪っ子のため”という相違点。反復が蓄積であると共に減少であることをヴェンダースは知っている。影を重ねると濃くなっているはず。変わらなければおかしい。日々を重ねることも人間が死にながら生きるためにある。それを顕示するかのような役所広司の眼光(と切り返される木漏れ日)。退化する自分を受けいれること。だからこそ『Feeling Good』を聴きながら悲喜する。

アオイヤマダにキスされたあと『Perfect Days』を流してひと眠り→いきつけの居酒屋で呑むときのアクションつなぎがエレガント。休日に本屋を訪れたときのドリーズームや「影」という活字に影がかかるとかも、まあまあ愛おしい。
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