トイレ掃除の仕事。銭湯に行って夜に一杯ひっかけて文庫本を読んで眠る。毎日同じ様でいて、小さな事件が起きたり起きなかったり。彼がああいう生活を選んだ理由に関しての説明は殆どない。ただ以前の生活は捨てたらしい事は分かる。
周囲の人間もそんなに嫌な奴はいない。チャランポランな柄本佑もどこか憎めない。住む世界違うっぽい妹ですらそんな兄を実は愛している様だ。渋谷のトイレですら美しい。東京のトイレなんて想像を絶するうわぁな事もあるだろうに、それ程の事はない。敢えて露悪的なシーンは出してこない。
「こんなふうに生きていけたなら」って。無理かなぁ。怠け者のくせに物欲食欲承認欲求etc…第一役所さんろくに食べてないでしょ。缶コーヒーとサンドイッチと酒のツマミだけ。仙人か。それで済むなら済ませたいよ。
スカイツリーの下で生活する役所さんや同僚の柄本くんやホームレスさんや飲み屋のおっちゃんやスナックのママやその別れた夫やその他の人たちの人生に想いを馳せちゃう時間、あーそんなに違わないか。
