このレビューはネタバレを含みます
黒柳徹子さんが、第二次世界大戦が終わる少し前の激動の時代を背景に、幼少期を自伝的に描いた『窓際のトットちゃん』の映画化。書籍は1981年に出版され、日本では累計発行部数800万部。20以上の言語でも出版され、世界累計発行部数は2500万部を突破する世界的ベストセラー作品。
落ち着きがなく「困った子」と言われて傷付くトットちゃん。「君は本当はいい子なんだよ」と受け入れてくれる小林先生。子供達の個性を尊重し伸ばしてくれるトモエ学園。お便所事件の先生の対応は凄すぎ。子供達の戦争の絵や戦艦のポスターを忸怩たる思いで見詰める先生。どれほどの覚悟であの教育をあの学校を続けてきたのかと思えた。
今まで全て断ってきた映像化の話を、徹子さんがなぜ今受けたのか。世界が戦争に向けてきな臭くなりつつある時代を感じての事とか。あの戦争を実体験した人も少なくなり、それを知る人も語れる人もいなくなる前に。
トットちゃん家が立派でびっくり。あの家を引き倒すなんて!あの時パパが居なかったのは、もう出征してたからかな。バイオリンで軍歌を演奏する事はできなかったけれど、戦争には行かなくてはならなかった。パパはシベリア抑留されたんだよね。疎開に向かうトットちゃんが大人びてきているのが、時代を背負っている様で少し悲しい。