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PERFECT DAYSのTEYEGのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.3
「今を生きること」の幸福を、じわりと、あたたかく、感じられる作品だった。

忙しなく熾烈な日々の中では、幸せってキャリアの成功や、何か高価なモノを所有することが全てだと思ったりする。
自分はそう思うことがけっこう多かった。

でも、そういう資本主義的かつ相対的な幸せってのは、幸せの中の1つのパターンでしかなくて、
自分という主観世界の中で、自らの流儀を貫いて生きたり、口角が少し上がるような小さな善行を重ねたり…
そういうものの総体である、なんてことない日常も、とても尊い幸せの1つなんだよなぁと、改めて思い直した。

先々のことを気にして、今をおざなりにしちゃってる瞬間、あるなぁと。なんか反省もした。

ただしかし、本作の平山のような心持ちに到達するには、相当な人生経験と心の余裕が必要なのだろうなとも思う。
自分も含め、一般的な生活をしている人が、あの仙人的な領域に到達するのはハードル高そう。

それでも、毎日を丁寧に生きて、僕も平山みたいに心の余裕がある人を目指していきたいと思わせてくれた。
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