このレビューはネタバレを含みます
美術館のインスタレーションを2時間眺めているかのようだった。
1人のおじさんがキラキラした夜景のスカイツリーやタワーマンションに囲まれながら、目の前の美しさをぎゅっと握りしめて生きていた。朝は掃除の箒が擦れる音で起きてコーヒーをのみ、好きなカセットを入れて朝の高速を走る。昼は空を見上げて、サンドイッチ片手にそこに揺れてる木々を写真に切り取る。夜は浅草の行きつけの店で、お疲れ様と声をかけながらお酒を飲んで、銭湯で1日の疲れを癒す。
トイレの掃除、なんで頑張れるんですか?ー目的なんて無い。その時の最上をするし、いいなぁとか、やってあげたいということをやる。
仕事も恋愛も遊びもおんなじ。お金がないから恋ができないんじゃない。その時に恋してないからなんだ。
見ている側も何かの物語りや目的を構えずにいて、最後の木漏れ日の解説が出てきた時に、うわわ!美し!と感動した。
アート作品でした。
今度は今度!今は今!
東京ブランドが発信されている中で日本の美しい哲学のようなものまで感じさせられる。