もちこ

シラノのもちこのネタバレレビュー・内容・結末

シラノ(2021年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

ロクサーヌの歌がうま過ぎて、オペラ座のクリスティーヌのように天使の歌声だった。時代設定が分からないけれど、言葉によって愛の表現を紡ぎ、ときめき、惹かれ合うのは日本の平安時代の和歌を思わせる。ロクサーヌが最初に惹かれたのは劇場での一目惚れだったのに、結果的に内なる魂だ、という結論にもやっとしたけど。女心とはそういうものなのかしらね〜。

シラノが自分の障がいや見た目を気にして相手の恋に投影していく感じは、ノートルダムの鐘みたいだった。だけど、相手がハッピーにならないし、シラノの自己犠牲を知ってむしろ自死してしまうので、シラノが最後悪者みたいにも見えなくない。

全体的にまっすぐな愛のはずが、すれ違って歪んでしまった悲しい物語でした。ミュージカル的には舞台向きかも。場面設定が若干ふわりとしていて、映像にすると違和感があるかな〜
もちこ

もちこ