このレビューはネタバレを含みます
全人類が役所広司にメロメロになる映画。私ですか?もちろん惚れました。
最後の長回しが好きすぎる。表情だけであんなに長くの時間観客を魅了できるの、やばすぎませんかねぇ、、?平山さんの内面の豊かさが爆発している数分間だった。あのラスト数分を観たいがためにもう一回映画館に行こうか迷うレベル。
告白しますが、この映画を観てから平山さんごっこして生きてます。街なかで微笑ましい人や場面と出会ったら、静かに一人でニコニコしてる。不審者にはならないように、誰にも気づかれない程度に控えめな微笑みをたたえてる。平山さんが自分に憑依した気持ちになって、すごく穏やかな気分になれるからオススメ。世界には愛すべき出来ごとがたくさんあるなあって気持ちになる。What a wonderful world.
帰りの車でも、もちろんサントラを聴きながら運転して平山さんごっこしながら帰りました。この映画を観た帰りに車を運転できたのは端的に言って優勝でしょう。しかも空はきれいな夕焼けだったのだ。この映画の良さがわかる人と平山さんごっこしながらドライブがしてえです。
感受性が豊かなら、刺激の少ない日々にも心から感動できて、豊かさを感じられるのよ。『パターソン』、『モリのいる場所』と似たメッセージを感じた。
こういう何も大事件が起きない系の、日常を描いた作品、私は大好物だけど、大衆受けはしないと思ってた。それなのにこの映画はとても多くの人から評価されていて、世界の風向きが変わってきたのか?!と驚き。みんな突然どうした??
でも、平山さんの夢のイメージをはじめ、映像がとっても美しかったから、ストーリーに起伏が少なくても飽きることなく観られる作品になっていたのかな。
平山さんの、わずかな発話から滲み出る人柄に震えちゃいました。なんて優しい喋り方をするんだろう。私は多言なタイプなので、これからは「あまり多くを語らない」という平山さんごっこにチャレンジしていきたい。「人の品格は何を話すかじゃなくて何を話さないかで決まる」、どこかで聞いたそんな言葉が、本当に真理だよなぁと思うこの頃である。
平山さんみたいな人は、きっと現実世界にも、私たちのすぐそばにもいるはずなんだ。そんな人の美しさに気がつける自分でいたいし、平山さんごっこを重ねながら、そんな生きざまに少しずつ近づいていきたい。
役所広司さん、生まれてきてくれてありがとう。まるで産みの母親みたいな言葉だけど、本当にそう思っちゃったよ!
最後に自慢。くるみっこ私も大好きだから、お姉さんが平山さんに手渡した紙袋で「これはくるみっこや!!!」ってわかったよ!!!!
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