Haruyuki

PERFECT DAYSのHaruyukiのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.2
 さすが、というか、なるほど、と、すがすがしく拝見。
 最近、事情があって、仕事終わりに「スーパー銭湯」に行くことがあるのだけれど、映画をみて、「なじみの銭湯」ならもっといいんだろうなと思う。「銭湯」とか、そこへ「自転車」でいくこととか、小市民的生活の中の幸福感が、どこにあるか、よくご存じで!と感嘆する。あの、お湯に漬かる快感、日本人ならではのはず。
 どこの国にも普遍的に、こうした、お金のかからない幸福というがあるのだろう。でも日本にはこれがあると、誰かがヴェンダース監督に教えたのかな? 外国人がつくった映画だというのが、ちょっと信じられない。
 映画の感想として「感動した」という人と「何も起こらなかった」という人がいると聞いていた。「感動」組は自分の中に同調する経験がある人かもしれない。数々の熱い物語がちりばめられていても、それらはあえて語られることがない。語られることなく存在する。つまり、物語は受け手の中で語られる。受け手がそこに、自分の物語を見つけるための仕掛けというべきかもしれない。
 カセットで聴かされる曲の歌詞(英語)の意味を同時的に理解できれば、感動する物語の起点にできたかもしれない。
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