Haruyuki

青春ジャック止められるか、俺たちを2のHaruyukiのレビュー・感想・評価

4.2
全共闘世代へのシンパシーが残っていたこの時代。アナログレコードの音が共鳴音をまとっているように、言葉が意味だけでなく、温かい何かをまとっていたようだ。若松監督の発する言葉はとんでもなく過激だ。意味だけ受け止めたら、互いの関係はすぐに断ち切られてしまうだろう。「俺の視野から消えろ」。と言っても、その言葉には、あとで実家にちゃんと電話をかけてくるような情が込められている。デジタル化した現代は言葉が意味しか持たなくなった。かつて言葉は、白黒つけるためだけの道具ではなかったのだ。
 映画への愛・情熱を共有した者同士の強い心の絆というべきかも。自分の青春時代の師と、師を囲む仲間たち、そんなことを思い出させてくれた。
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